人の一生の中で、どんな人も必ず持つものといえばカギではないでしょうか。
家のカギ、車のカギ、自転車のカギなど、数え上げればいろいろ出てきますが、それらの持つ意味を考えてみたことはあまりないかもしれません。
子供の頃、カギっこと呼ばれる子供たちは、カギをなくさないように首からぶら下げたりしていたものです。
けれど、大多数の子は家にお母さんがいて、学校に家のカギを持っていくことなどなかったと思います。
家のカギを持っても大丈夫となって、カギを預けられるのは中学生くらいになってからでしょうか。
その頃になると、それまで家にいたお母さんが働きに出たりすることも多くなり、必然的に中学生にカギを持たせることになったのでしょう。
そこから自分の自転車のカギに加え、自宅のカギを自分で管理することになり、大人になるにつれてカギの数も増えていきます。
16歳になって原付の免許を取って、それで学校に通うことになれば、自転車だけだった乗り物のカギに原付が加わります。
さらに18歳になって運転免許が取れたら、今度は車のカギを持つことにもなるかもしれません。
車に乗れるようになっても、場所によっては原付を利用することもあるでしょうし、やはり自転車に乗ることもあるかもしれませんから、カギは年齢を重ねていくにつれ、増えこそすれ、減りはしません。
そうやってカギについて考えていくと、カギが増えていくことが大人になっていくということなのかもしれないと思います。
子供のころには手に入らなかったものが手に入れられるようになるのが大人になるということですから、カギはその象徴なのかもしれません。
自分自身を振り返って考えてみると、職場のカギも長年預かってきました。
今では改装して自動ドアになり、預かっていたカギは返すことになりましたし、家族に送迎してもらっていた車も手放し、車のカギもなくなりました。
そうやってカギの本数は状況によって変わることもあるけれど、やはり大人がもつアイテムなのだという気持ちはいつまでも残ります。